今回の書籍感想は著者デール・カーネギーの「道は開ける」の新装版です。
デール・カーネギーといえば「人を導く」が有名ですが、「道は開ける」も悩みを持つ人にとって重要な事が書かれています。
1.この本について
「道は開ける」は、悩みを抱えた人たちがその悩みを克服するための道標として書かれた本です。
この本に書かれた悩みの解決方法は、デール・カーネギーが教え子たちと実験して実際に確認したものなので、かなり具体的な詳細が書かれています。
特にうつ病や精神病で悩んでいる人にとっては、刺さる内容の多い本なのではないでしょうか。
2.感想
※新装版の感想のため、文庫版では書かれていない内容もあります。
1.悩みを考えすぎないようにする方法
基本的に悩みというのは、未来や過去の出来事のことがほとんどですよね。
そこで明日や昨日以前のことは最低限のみ考えて、今日に集中して生きるのが悩みを減らす有効な手段というのがカーネギーの考え方です。
言い換えれば、不要な心配はするなという当たり前の内容なのですが、悩みやすい人ってどうしても今現在よりも過去や未来のことを考えてしまうんですよね。
なので、改めて今だけに集中すれば悩みのタネも減らせそうな気がします。
もちろん、どうしても明日来る不幸について考えてしまう場合もありますが、その時は一番最悪な事態を想定してみると意外なことに落ち着くことができるそうです。
その理由としては、「最悪の事態を想定できれば、その打開策を考える時間が生まれ問題の解決に近づくから」とのことです。
確かに問題を解決できれば心配事が減るわけですから、悩みも一緒に減りますよね。
「問題を解決して悩みを減らす」のではなく、「悩みから意識を外し本来の能力を取り戻し、そこから問題の解決に取り組む」ことが、悩みから開放される1つの手段なのかもしれません。
2.気を病む理由
カーネギーは、「気分を苛つかせる悩み」が精神を崩す大きな要因としています。
例えとして使われているのが「一定のリズムで水滴を垂らす拷問」で、気分を苛つかせる悩みが原因で気を病み、最終的に精神が崩壊するらしいです。
気を病んだことがある人も、最終的な理由は別としても毎日何かしらの小さな悩みで苦労していた時期があるのではないでしょうか?
もしそうであれば、この内容が書いてある章だけでも読むことをおすすめします。
3.疲労と悩みの予防法
この本には疲労と悩みの予防法も書かれています。
内容に関しては瞑想や深呼吸などお馴染みのものから、筋肉を休ませたり悩みを抱え込まない方法など多岐に渡ります。
そしていずれの内容も、疲労や悩みに効果がありストレスの軽減にもつながると思えるような内容でした。
アメリカの書籍なので神に祈るといった宗教的な内容も書かれていましたが、この本を読んだあとだと神に祈るという行為についても少し理解できるようになりました。
宗教的な予防法は少しだけなので、仮にそういったものが苦手な人も手にとって大丈夫だと思います。
4.実際に悩みを解決した人たちの実体験
新装版には、実際に悩みを抱え解決した人たちの体験談が書かれています、その悩みの解決法が本書のどの内容に該当するかが書かれています。
そして各々の悩みの解決法は全部同じわけではなく、各章に満遍なく分かれています。
言ってしまえば、この本の実証性が書かれているんですよね。
そしてこの内容が最終章に書かれているため、「有効そうな解決法を思い出す」「その解決法がどの章のものか考える」という事ができ、より頭の中にインプットしやすくなります。
自己啓発本は実際に行動しないと意味がないものですが、行動する前にもう一度復習するためにも、最後の章までぜひ読んでほしいです。
3.最後に
デール・カーネギーといえば「人を導く」が有名ですが、この「道は開ける」も同じくらい有名じゃないとおかしいというのが私の感想です。
もちろん「人を導く」も重要なことばかり書かれているのですが、悩みの解決法を知らない人が多いのもまた事実なので、ぜひ両書を読んでカーネギーの考えを学んでほしいです。
ちなみに、「人を導く」と「道は開ける」から内容を厳選してまとめた「人生論」という書籍もあるので、もし両方読むのは難しいという人はこちらから読んでみてもいいかもしれません。