今回は、先月購入したBOSEのワイヤレスヘッドホン「 QuietComfort Ultra Headphones」のレビューです。
ワイヤレスヘッドホンとしての機能に加えて、有線で使ってみた感想もまとめていきます。
1.「QuietComfort Ultra Headphones」とは
「QuietComfort Ultra Headphones」は、BOSEが2023年に発売した高級ワイヤレスヘッドホンです。
特徴としては、ノイズキャンセリング機能を重視した「クワイエットモード」、外部音取り込み機能を重視した「アウェアモード」、ノイズキャンセリング機能に空間オーディオを追加した「イマージョンモード」の3つで、BOSEの最新技術がふんだんに注ぎ込まれています。
2.「QuietComfort Ultra Headphones」レビュー
1. 装着感
私は今までゼンハイザーの「HD-25」や「HD8-DJ 」を使っていたため、今回が初めてのワイヤレスヘッドホンだったのですが、正直ワイヤレスヘッドホンを舐めていました。
最初に手に取ってみた時に思ったのですが、予想よりも重量が軽かったんですよね。
ワイヤレスヘッドホンはBluetoothや各種操作システムがヘッドホンに詰め込まれているので多少は重くなるイメージがあったのです、少し意外でした。
そして装着してみると耳への圧迫感がそこまでなくて、長時間つけていても耳の痛みや首の疲れなどが少なかったです。
それどころか、このヘッドホンに付いている機能のおかげで装着していることを忘れることもありました。
2.音質について
肝心の音質ですが、少なくとも私が思っていた数倍は高音質で驚きました。
ワイヤレス接続=音はある程度劣るというイメージだったのですが、流石高級ヘッドホンと言うべき音の良さでした。
私はMacやiPhoneを使っているので、ワイヤレスだとAACまでしか対応してないのですが、それでも音が自然で違和感を感じませんでした。
低音が強いサウンドには最初は違和感を感じましたが、今まで聞こえなかった音が聞こえることで、知らなかった楽曲の良さも理解出来るようになり、個人的にはそこまで気にならなくなりました。
ただ、私の場合は使ってたヘッドホンが癖の少ないタイプだったので慣れることが出来た可能性もあるので、そこに関しては人によるのかもしれません。
3.各種モードについて
クワイエットモード
クワイエットモードはノイズキャンセリングに特化したモードです。
クワイエットモードにすると外部の音が全く聞こえないレベルでノイズキャンセリングが効いていて衝撃を受けました。
流石に大きめの声まではカットできませんでしたが、雨音や車の音など集中力を切らしがちな音がカットされるのは作業していて気持ちが良かったです。
私は本当に集中したい時に、音声を流さずヘッドホンを着けることがあるのですが、クワイエットモードでやると無音の状態が長くて逆に違和感を感じることがありました。
ただ、読書や勉強をする場合は周りの騒音や環境音に集中力を阻害されることがなかったので、そういった用途でも活用できそうな感じがしました。
よくイヤホンやヘッドホンのレビューで「ノイズキャンセリングならBOSEが1番」という感想を見たことがありましたが、その意味が分かった気がします。
アウェアモード
次はアウェアモードですが、このモードはクワイエットモードとは逆に外部音声を取り込むことに特化したモードです。
私は安めのイヤホンでしか外部音取り込みを使ったことがなかったのでそこまで期待していなかったのですが、このヘッドホンのアウェアモードを使ってみたら環境音が自然な音声で流れてきて衝撃を受けました。
そして、音楽を流すと環境音と綺麗なサウンドが同時に耳に流れてきて、Bluetoothがオフになってるのではないかと勘違いしそうになりました。
外部音は耳で直接聞くよりも音が小さくなってしまいますが、ヘッドホンでも外部音が聞こえるというだけでも十分なのでそこまで気になりませんでした。
イマージョンモード
最後にイマージョンモードですが、空間オーディオに擬似的に再現できるモードです。
このモードで音楽を再生すると、正面に置かれている大きめなスピーカーから音が流れているかのように音楽が再生されて、臨場感溢れるメロディーを聴くことが出来ます
空間オーディオといえば専用の音楽ファイルが必要なイメージが強いのですが、QuietComfort Ultra Headphonesの場合は普通の音楽データでもヘッドホン内部で擬似的に空間オーディオに変えてくれるので、聞き慣れた音楽も新鮮な気持ちで聴くことが出来ます。
私がQuietComfort Ultra Headphonesを買うと決めた理由がイマージョンモードだったのですが、正直最初は買うか悩みました。
というのも、レビューを調べた時に「イマージョンモードだと音質が悪くなる」という感想を見たんですね。
そして実際にイマージョンモードで音楽を聴いてみた感想としては、「音が悪くなったと錯覚する」と言うのが私の意見です。
上でも述べた通り、イマージョンモードの空間オーディオって「周りに配置されたスピーカーから音楽が流れるように聴こえる機能」なんですよね。
なので流れてくる音もスピーカーで流れているような音質なので、他のモードで聴くより音は悪く感じます。
イマージョンモードで聴くと音に臨場感が加わり、高音や低音が聞こえなくなるとかでもないので、個人的にはそういう機能ということで納得しています。
4.その他の機能
QuietComfort Ultra Headphonesはスマホアプリを使うことで機能のカスタマイズができます。
主にイコライザーなど音に関することなのですが、その中でも私がすごくおすすめしたい機能があります。
実はこのヘッドホンって上記の3つのモード以外に、自分でもオリジナルのモードを作ることができるんですよね。
調整するのは「ノイズキャンセリングと外部音取り込みのバランス」と「イマージョンモードの有無」の2つのみ。
そのため、「ノイズキャンセリングを聴かせながら少しだけ外部音が聞きたい」というような細かい調整も、QuietComfort Ultra Headphonesだと自分でカスタマイズして追加できるんですよ。
そして、「外部音取り込み+空間オーディオ」という組み合わせが私の願望を叶えてくれました。
ヘッドホンを付ける人の中には、「スピーカーで音を流したいけど、周りに迷惑がかかるからヘッドホンで音楽を楽しんでいる」っていう人もいると思うんですよね。
この2つを合わせるとスピーカーで部屋に音楽を流しているような感覚で音を聴くことができて、尚且つ周りへの迷惑を一切考えなくていいので大音量で臨場感あふれる音楽を楽しめました。
5. 有線接続について
QuietComfort Ultra Headphonesは、バッテリー残量が残っていれば有線接続でも音楽を聴くことが出来ます。
そして、有線接続した場合でも空間オーディオなどの各種モードや音量調整などが使用できます。
実際にPS4でイマージョンモードを使ってみたのですが、ゲーム音楽やセリフが立体音声で聴こえることで没入感が向上しました。
ただ、FPSなど音の方向が大事なゲームの場合にはイマージョンモードはあまり向かないかもしれません。
6.不満点
1.稼働時間が少し短い&有線接続でも充電が必要
QuietComfort Ultra Headphonesは最大稼働時間が18時間と他のワイヤレスヘッドホンに比べて少し短めで、バッテリーがなくなると有線接続でも聴けなくなります。
他のヘッドホンはバッテリーが24時間持つ上に、有線接続だとバッテリーが不要なものもあるようなので、他の機種に比べると少しだけ不便な点です。
ただ、ヘッドホンを付けると電源がオン・外して時間が経つと電源がオフになるので、常に再生し続けていなければ2日は余裕で持つと思います。
2.Bluetoothが外れてないか不安になる
スピーカーから音楽が流れているかのように聴こえているイマージョンモード、すごく画期的な機能なのですが少しだけ不満な点があります。
それが、「Bluetoothが外れて実際にパソコンのスピーカーから流れていないか?」と心配になることです。
立体的な音声ということで部屋の反響まで再現されているのか分かりませんが、音の鳴り方がかなりリアルなんですよね。
そしてヘッドホンが軽くてつけていることを忘れてしまうため、Bluetooth設定をチェックしたり片耳だけ外してスピーカーから再生されてないか確認してしまいます。
慣れれば気にならなくなるんだと思いますが、そうなると逆にBluetoothが外れていた時が不安になりますね。
7.最後に
実売価格が6万円ということで手軽には購入するのが難しいQuietComfort Ultra Headphonesですが、私としては迷うくらいなら買ったほうがいいというのが本音です。
それだけ魅力的な機能ばかりでしたし、有線でも空間オーディオが聴けるというのは個人的には嬉しいところでした。
私はライブのBlu-rayなどもPS4で聴いているのですが、PS4やPS5ではBluetoothオーディオが使えないので、有線接続でも機能を最大限活かせるQuietComfort Ultra Headphonesがすごくありがたかったです。
もしゲームやライブ映像など、ドルピーアトモスに非対応の音源でも空間オーディオで聴いてみたいという方がいましたら、QuietComfort Ultra Headphonesをお勧めします。